アイルランドの航空会社エア・リンガスの筆頭株主である欧州格安航空最大手ライアンエアー(アイルランド)は10日、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)によるエア・リンガス買収を受け入れると発表した。これによって同買収は最大の難関を突破し、実現に向けて大きく前進した。
英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるIAGは昨年12月、エア・リンガスに買収を提案。エア・リンガスは拒否していたが、1月に買収条件が引き上げられたことから同意していた。1株当たりの買い取り価格は2.55ユーロで、エア・リンガスの価値を13億5,000万ユーロと評価した格好となる。
同買収をめぐっては、大株主であるアイルランド政府(出資比率25%)が5月に受け入れを決めた。29.8%を出資するライアンエアーは態度を保留していたが、取締役会は買収提案を「妥当」と判断し、承認することを決めた。
買収の最後のハードルとなっているのは、EUによる承認。欧州委員会は15日までに可否を判断することになっている。