欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/20

EU情報

EUがスペインに1900万ユーロの制裁、財政赤字過少申告で

この記事の要約

EUは13日、スペインが虚偽の財政報告を行ったとして、約1,900万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。政府が2011年の財政赤字を過少申告したことを問題視した。同様のケースでの制裁は、11年にルールが制定されてから […]

EUは13日、スペインが虚偽の財政報告を行ったとして、約1,900万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。政府が2011年の財政赤字を過少申告したことを問題視した。同様のケースでの制裁は、11年にルールが制定されてから初めて。

スペイン政府は12年、バレンシア地方の自治体が誤ったデータを政府に提供していたことで、EUに提出した11年の同国の財政赤字が実際より少ないことが発覚したとして、修正申告を行った。これによって同年の財政赤字は国内総生産(GDP)の0.2%に相当する分が上乗せされた。

EUが同問題についてスペインと連携して調査を進めた結果、同自治体はミスにより、医療支出を財政統計に勘定していなかったことが判明。欧州委員会は「深刻な不手際があった」として、今年5月にスペイン政府への制裁を決めた。これが加盟国に承認され、制裁が正式に決まった。

EUではギリシャ政府が財政赤字を過少申告したことで同国の債務危機への対応が遅れ、ユーロ圏を揺るがす信用不安を招いた反省から、財政データを虚偽申告した国に欧州委が制裁を発動できる制度を2011年に導入していた。この制度に基づく制裁は今回が第1号となる。