台湾の電子機器大手、鴻海精密工業(フォックスコン)がチェコで大規模な追加投資を計画している。チェコ貿易産業省が14日に明らかにしたもので、既存工場を近代化するほか、同社にとって欧州初の研究・設計センターを設置する。詳細は政府との投資協定が調印される21日以降に明らかになる見込みだ。
フォックスコンは、既存の中部パルドヴィツェとクトナー・ホラの2工場で生産工程の全面的なネット化(インダストリー4.0)を実現させる方針だ。また、研究・設計センターとデータセンターの新設に加え、中国に持つ流通網を活用して、チェコ製品をアジアに輸出するプラットフォームを整備する。
貿易産業省は、フォックスコンの投資規模が「数十億コルナ」の単位に上るとし、投資奨励措置によって誘致した案件としては「最大の部類に入る」とコメントしている。
フォックスコンは1990年代末にチェコに進出。2000年にパルドヴィツェで生産事業を開始したのに続き、08年にはクトナー・ホラ工場を開所した。チェコ従業員数は約5,500人で、昨年の売上高は1兆2,000億コルナ(44億ユーロ)だった。輸出高ではシュコダ自動車に次ぐ2位となっている。