欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/3

西欧

ハイデルベルクセメント、伊同業を買収

この記事の要約

セメント世界3位の独ハイデルベルクセメントは7月28日、同5位の伊イタルチェメンティを買収することで合意したと発表した。誕生する新会社はラファージュホルシムに次ぐ2位となり、セメント業界の再編が一段と進む。 ハイデルベル […]

セメント世界3位の独ハイデルベルクセメントは7月28日、同5位の伊イタルチェメンティを買収することで合意したと発表した。誕生する新会社はラファージュホルシムに次ぐ2位となり、セメント業界の再編が一段と進む。

ハイデルベルクセメントはイタルチェメンティの株式45%を大株主のペゼンティ家から17億ユーロで取得する。同取引は現金と株式交換を組み合わせた形で実施され、ペゼンティ家はハイデルベルクセメントの株式約4%を受け取る。1株当たりの取得価格は10.6ユーロ。来年の取引完了を予定している。

ハイデルベルクセメントは同取引に続き、残る株式を株式公開買い付け(TOB)で取得する。全株式を取得した場合の買収総額は、現在の株価に基づくと37億ユーロに達する。

ハイデルベルクセメントは欧州、アジアを中心とする約40カ国、イタルチェメンティは南欧やエジプト、モロッコ、タイ、米国など22カ国で事業を展開している。2014年の売上高はハイデルベルクセメントが126億ユーロ、イタルチェメンティが41億6,000万ユーロ。

世界のセメント業界は仏ラファージュ、スイスのホルシム、メキシコのセメックス、ハイデルベルクセメント、イタルチェメンティの5強状態が続いていたが、ラファージュとホルシムが先ごろ合併して新会社ラファージュホルシム(売上高440億ドル)が発足したばかり。ハイデルベルクセメントとイタルチェメンティは統合によってファージュホルシムに対抗する態勢を強化する。