欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/17

東欧・ロシア・その他

ジャガーランドローバー、スロバキアで工場建設へ

この記事の要約

印タタ・モーターズ傘下の英高級車メーカー、ジャガー・ランドローバー(JLR)は11日、大陸欧州で初となる工場をスロバキア西部ニトラに建設することで同国政府と合意したと発表した。グローバル市場での競争力拡大を目指す同社の戦 […]

印タタ・モーターズ傘下の英高級車メーカー、ジャガー・ランドローバー(JLR)は11日、大陸欧州で初となる工場をスロバキア西部ニトラに建設することで同国政府と合意したと発表した。グローバル市場での競争力拡大を目指す同社の戦略に沿ったもので、欧州市場へのアクセスに優れた同地で生産体制を整え、市場地位の強化を図る。現在は実現可能性調査を行っている段階で、今年末に最終決定する見込みだ。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、JLRは新工場に10億ポンドを投じる。今後10年をかけて年産能力30万台の生産施設を整備する計画で、2018年の稼働を見込む。生産車種については「アルミニウム製の車両」としか明らかにされていない。

JLRはスロバキアの利点として、高度に発達した自動車産業と良好な研究開発環境を挙げる。建設候補地のニトラは独フォルクスワーゲン(VW)や仏PSAプジョーシトロエンの工場を含む自動車産業の集積地に近く、物流インフラが整っている。

JLRはグローバル規模での競争力の強化に向けて、有望な海外市場での現地生産を推し進めている。昨年10月に海外初となる工場を中国に開所したほか、今年7月にはオーストリアのマグナ・シュタイヤー社と製造契約を締結。来年にはブラジル工場が開所を予定する。ただ、デザインやエンジニアリングなど製造の基幹部分は今後も英国に残す方針だ。

JLRのラルフ・スペッツ最高経営責任者(CEO)は、「グローバル事業の拡充により、生産力の強化だけでなく、新モデルや技術開発への投資も拡大できる」とコメントしている。