欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/24

西欧

英政府、7年ぶりにシェールガスの開発許可、27件の新規ライセンス

この記事の要約

英政府は18日、新たに27件のシェールガスおよび在来型ガスの探鉱ライセンスを付与したと発表した。英国でシェールガスの開発が許可されたのは7年ぶり。ライセンスを付与された事業者は地方自治体や環境庁の承認を取得したうえで、掘 […]

英政府は18日、新たに27件のシェールガスおよび在来型ガスの探鉱ライセンスを付与したと発表した。英国でシェールガスの開発が許可されたのは7年ぶり。ライセンスを付与された事業者は地方自治体や環境庁の承認を取得したうえで、掘削を本格化させる。

シェールガスの掘削に用いられる水圧破砕法(フラッキング)は、水質汚染や微小地震を引き起こすとして環境保護団体などからの反対が根強く、フランスやドイツなどでは同技術の使用が禁止されている。英国では北海での天然ガスおよび原油の生産量が減少し、輸入依存度が増していることから、政府はシェールガスの開発を推進したいとの立場をとっている。

しかし、2011年に国内で初のシェールガス井掘削が行われた際、2度にわたり小規模な地殻の揺れが観測されたことからすべてのプロジェクトを一時凍結。その後の調査で科学的裏付けに基づき安全との結論が出たことを受け、翌年にシェールガスの開発を解禁することを決めた。その後、事業者に対して環境への詳細な影響分析を義務付けることなどを条件に、昨年7月に6年ぶりとなる探鉱ライセンスの入札を実施し、対象鉱区や事業者の選定を進めていた。

政府によると、今回の入札では内外の47社から合わせて95件の申請があり、地場系のIガス(IGas)、クアドリラ・リソーシズ、仏GDFスエズ、スイスのイネオスなどにライセンスが付与された。なお、ウェールズおよびスコットランド議会は環境面への懸念から、シェールガス開発のモラトリアムを宣言しているため、新規ライセンスの対象鉱区はすべてイングランドに集中している。