欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/31

西欧

ノキアが中国華信と通信インフラの合弁設立へ、アルカテルの買収認可に道筋

この記事の要約

フィンランドの通信機器大手ノキアは28日、中国国有投資会社の中国華信と上海に通信インフラ事業の合弁会社を設立することで合意したと発表した。ノキアの中国事業と、中国華信が出資する仏アルカテル・ルーセントの中国子会社「アルカ […]

フィンランドの通信機器大手ノキアは28日、中国国有投資会社の中国華信と上海に通信インフラ事業の合弁会社を設立することで合意したと発表した。ノキアの中国事業と、中国華信が出資する仏アルカテル・ルーセントの中国子会社「アルカテル・ルーセント上海ベル」を統合し、「ノキア上海ベル」として運営する。ノキアは現在、アルカテルの買収手続きを進めており、中国商務省からも承認を得る必要がある。国有企業の中国華信と提携関係を結んだことで、近く買収計画が承認される公算が大きい。

ノキアと中国華信が交わした覚書によると、合弁会社への出資比率はノキアが51%、中国華信が49%。ノキアのスリ最高経営責任者(CEO)は声明で「今回の合意は中国市場に対するノキアのコミットメントの表れだ。中国華信との合弁事業を通じ、インターネットプラス(インターネットを活用して既存の産業や地域経済を振興する国家戦略)をはじめとする中国政府の取り組みを支援し、欧州と中国をつなぐ絶好のポジションを確保できる」とコメントしている。

ノキアは今年4月にアルカテルを156億ユーロで買収すると発表した。実現すれば、統合後の新会社は通信インフラ事業でスウェーデンのエリクソンや中国の華為技術と肩を並べ、通信機器市場は大手3社に集約が進む。欧州委員会は7月に買収計画を承認しており、現在は中国当局による審査が最大の焦点になっている。