欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/8/31

東欧・ロシア・その他

クロアチア、スイスフラン建てローンの切り替え検討

この記事の要約

クロアチア政府がスイスフラン建て債務のユーロ建てへの切り替えを検討している。スイスフランの高騰で同通貨建てローンの返済負担が増大化している問題を受けた措置。ロイター通信などが25日報じたところでは、9月中に関連法案を閣議 […]

クロアチア政府がスイスフラン建て債務のユーロ建てへの切り替えを検討している。スイスフランの高騰で同通貨建てローンの返済負担が増大化している問題を受けた措置。ロイター通信などが25日報じたところでは、9月中に関連法案を閣議決定するとみられる。

検討されている法案によると、個人顧客が契約したすべてのスイスフラン建てローンをユーロ建てに切り替えることができる。その際に生じるコストと自国通貨換算での差額は銀行負担とするが、課税控除によりこれを相殺できるようにする。金利は切り替えた日のユーロ金利が適用される。

クロアチア中央銀行によると、スイスフラン建てローンは個人ローン全体の17.6%を占める。契約者数は約5万5,000人で、融資残高は2014年末時点で215億クーナ(約28億4,500万ユーロ)に上る。うち約94%が住宅ローンという。

中東欧諸国ではスイスフラン建てローンの返済負担が社会問題化している。すでにハンガリーやポーランドが同通貨建て住宅ローンを顧客に有利な条件で自国通貨建てに切り替える措置を導入したほか、モンテネグロもユーロ建てへの切り替えを奨励している。