欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/7

EU情報

ユーロ圏インフレ率、8月も0.2%

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが8月31日発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比0.2%となり、前月と同水準だった。プラスとなるのは4カ月連続。ただ、原油安などで物価が上がりにくい状況が続き、インフレ率は依然 […]

EU統計局ユーロスタットが8月31日発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比0.2%となり、前月と同水準だった。プラスとなるのは4カ月連続。ただ、原油安などで物価が上がりにくい状況が続き、インフレ率は依然として欧州中央銀行(ECB)が目標値とする2%前後を大きく割り込んでいる。

分野別では工業製品が0.6%と、前月の0.4%から上昇。サービスは1.2%と前月と同水準の上げ幅となった。しかし、エネルギーが原油安の影響でマイナス7.1%となり、下げ幅が5.6%から急拡大した。価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は前月と同じ1%だった。

ECBはデフレ回避のため、ユーロ圏の国債などを買い取る量的金融緩和を3月に開始した。ユーロ圏のインフレ率を2%前後まで引き上げるのが目的で、16年9月まで実施することになっている。

ユーロ圏のインフレ率は4月にマイナス圏から脱したものの、物価の上げ足は鈍く、6月から3カ月連続で0.2%にとどまった。市場では原油に加えて商品価格の下落が進み、さらに物価の下げ圧力が強まる懸念が強まっている。