欧州委員会は8日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が仏アルストムの重電部門を買収する計画を条件付で承認したと発表した。GEは主要なガスタービン事業の売却を求められる。
GEは2014年6月、アルストムの重電部門を約124億ユーロで買収することで合意した。これについて欧州委は、競争上の懸念があるとして初期審査での承認を見送り、2月に本格調査を開始。審査期限を延長して慎重に調査を進めていた。
欧州委が問題視していたのは、ガス火力発電などに使われる大容量ガスタービン事業。同分野でGEが世界1位、アルストムが3~4番手につけていることから、買収によってGEのシェアが拡大すると同時に、同社と独シーメンス、三菱日立パワーシステムズの3社による寡占化が進んで競争が阻害される恐れがあるためだ。
これに対してGEは、大容量ガスタービンの関連資産、技術、試験設備、サービス部門を伊アンサルドに売却することを提案。欧州委はこれによって競争上の問題が解消されるとして、認可に踏み切った。
同買収は米国当局が承認済み。GEとアルストムは今年10~12月期の買収手続き完了を見込んでいる。