欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/21

EU情報

8月のユーロ圏インフレ率、0.1%に下方修正

この記事の要約

ユーロ圏でデフレ懸念が再燃している。EU統計局ユーロスタットは16日、8月の消費者物価上昇率(インフレ率)を速報値の前年同月比0.2%から0.1%に下方修正したと発表。インフレ率は前月の0.2%から縮小し、再びマイナス圏 […]

ユーロ圏でデフレ懸念が再燃している。EU統計局ユーロスタットは16日、8月の消費者物価上昇率(インフレ率)を速報値の前年同月比0.2%から0.1%に下方修正したと発表。インフレ率は前月の0.2%から縮小し、再びマイナス圏となる恐れが強まってきた。(表参照)

速報値ではエネルギーがマイナス7.1%、工業製品がプラス0.6%となっていたが、それぞれマイナス7.2%、プラス0.4%に下方修正された。価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率も1%から0.9%に引き下げられた。

ユーロ圏のインフレ率は原油価格の下落を受けて昨年12月にマイナスとなり、下げ幅は1月に0.6%まで拡大。原油安に歯止めがかかって5月にプラスに転じたもの、上げ幅は縮小傾向にある。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は3日、定例政策理事会後の記者会見で、景気と物価の見通し悪化を受けて、ユーロ圏の国債などを買い取る量的金融緩和を拡大する用意があると表明していた。市場では原油安の加速で物価の下げ圧力が強まるのが避けられない見通しであることから、ECBが同措置に踏み切るとの見方が強まっている。