欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/9/21

西欧

ポルトガル中銀、ノボバンコ売却を延期

この記事の要約

ポルトガル中央銀行は15日、国内大手銀行バンコ・エスピリト・サント(BES)の経営破綻を受けて設立された新銀行ノボバンコの売却を延期すると発表した。同行が欧州中央銀行(ECB)から資本増強を求められるとの観測から、入札が […]

ポルトガル中央銀行は15日、国内大手銀行バンコ・エスピリト・サント(BES)の経営破綻を受けて設立された新銀行ノボバンコの売却を延期すると発表した。同行が欧州中央銀行(ECB)から資本増強を求められるとの観測から、入札が不調に終わったためで、適切な時期に改めて入札を実施する。

ノボバンコはポルトガル政府がBES救済のため、同行の優良資産を引き継いで昨年8月に発足させた新銀行。資産額で国内3位の銀行だ。

政府は銀行救済基金を通じてノボバンコに注入した49億ユーロの公的資金を回収するため、民間に売却することを決定。売却入札には中国の安邦保険とコングロマリット(複合企業)の復星国際、米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントの3社が応札した。

中銀は最高額を提示した安邦保険と独占交渉を進めていたが、期限の8月末までに折り合いがつかなかったため協議を打ち切り、残る2社と交渉を進めていた。しかし、応札額が想定水準を大きく下回ったことから、売却の延期を決めた。

中銀は声明で、ECBが実施するユーロ圏の銀行のストレステスト(健全性審査)で、ノボバンコが大規模な資本増強を迫られる可能性があることから、応札額が低水準にとどまったと指摘。数カ月後に公表されるストレステストの結果を見極めた上で、入札を再開するとしている。