ギリシャで23日、チプラス首相率いる与党・急進左派連合(SYRIZA)と「独立ギリシャ人」の連立政権が発足した。就任2期目の首相は、財務相など主要閣僚を留任させ、EUとの合意に基づく財政改革や経済再建に取り組む。
SYRIZAは20日に投開票された総選挙で第1党となり、定数300議席の議会で145議席を獲得。10議席となった独立ギリシャ人を第1次チプラス政権に続いて取り込み、過半数を確保した。
チプラス氏は21日に首相に就任。22日の組閣を経て、新政権が発足した。新内閣の顔ぶれは第1次政権とほぼ変わらず、EUとの新たな金融支援をめぐる交渉で大きな役割を果たしたチャカロトス氏が財務相に再任。副首相、経済相、外相も続投する。
ユーロ圏は8月中旬、ギリシャに3年間で総額860億ユーロの新金融支援を実施することを正式に決定。うち第1弾となる260億ユーロの融資は実施したが、残りはギリシャが支援の条件として約束した年金改革など財政再建計画の進展状況をにらみながら、段階的に実施することになっている。新政権にとっては、ユーロ圏など債権者が10月に実施する1回目の審査をパスすることが当面の大きな課題で、緊縮策に沿った補正予算の編成などに取り組むことになる。
チャカトロス氏は7月、EUとの新支援をめぐる交渉で強硬姿勢を貫き、協議を混迷させたバルファキス氏の後任として財務相に就任。交渉を合意に導いた。チプラス首相はEUが信頼を寄せる同氏を続投させることで、財政改革推進の姿勢をアピールした格好だ。また、ギリシャは財政危機の打開には新支援だけでなく債務減免も必要としており、その交渉をチャカロトス財務相に担わせる。