独最大手銀行のドイツ銀行は8日、2015年7~9月期(第3四半期)の税引き前損益が60億ユーロの赤字になるとの見通しを明らかにした。赤字幅は過去最大。巨額の評価損と訴訟関連の引当金を計上するためで、純損失は62億ユーロに上るとしている。
投資銀行部門(CB&S)と売却予定のリテール子会社ポストバンクで総額約58億ユーロの評価損を計上する見込み。投資銀行業務に対しては当局の自己資本規制が強化されており、これがCB&Sでの評価損計上につながった。
中国・華夏銀行の保有株19.99%についても評価額を約6億ユーロ引き下げる。従来は戦略出資としてきたが同保有株の売却方針に転じたため、評価損を計上しなければならなくなった。このほか、訴訟関連で引当金およそ12億ユーロを積み増す。
業績見通しが厳しいことから経営陣は15年12月期の配当を引き下げるか無配にする考えだ。
ドイツ銀は第3四半期決算を新経営戦略「シュトラテギー2020」の詳細とあわせて29日に発表する。