欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/10/19

西欧

フィアットがフェラーリIPOの仮条件発表、時価総額は最大98億ドルに

この記事の要約

欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は12日、近く米国で上場を予定している傘下の高級スポーツ車メーカー、フェラーリについて、新規株式公開(IPO)の仮条件レンジを1株あたり48~52ドルに設 […]

欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は12日、近く米国で上場を予定している傘下の高級スポーツ車メーカー、フェラーリについて、新規株式公開(IPO)の仮条件レンジを1株あたり48~52ドルに設定したと発表した。フェラーリの時価総額は最大98億ドルとなる。FCAは発行済み株式の約9%を売却し、最大8億9,300万ドルを調達する。独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車不正問題が欧州自動車業界に波紋を広げるなか、FCAはフェラーリの強力なブランド力を背景に、仮条件レンジを市場の予想を上回る水準に設定した。

FCAは昨年10月、自動車レース「F1」などで高い人気を誇るフェラーリをグループから分離し、株式の一部を売却する方針を打ち出した。FCAが今月9日に米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、フェラーリは月内にニューヨーク証券取引所への上場を予定しており、銘柄コードは「RACE」となる。米紙ウォールストリート・ジャーナルなどは取引開始が今月21日になる見通しと報じている。

フェラーリの普通株90%を保有するFCAは今回、持ち株の約10%にあたる1,720万株を売却する。グリーンシューオプションが行使された場合は追加で170万株が売却され、調達資金は最大9億8,200万ドルに膨らむ。FCAは来年初めに残るフェラーリ株を自社の既存株主に割り当て、同部門を完全に分離・独立(スピンオフ)させる方針。なお、フェラーリ家は保有する株式10%を引き続き維持する見通しだ。