欧州中央銀行（ECB）が20日公表した2015年7～9月期のユーロ圏の銀行貸出調査で、企業向けの融資基準の緩和が進んでいることが分かった。ECBは国債などを買い取る量的金融緩和の効果が確認されたとしている。
ECBはユーロ圏の141行を対象に調査を行った。これによると、同期に企業向け融資の基準を「緩和」した銀行は、「厳格化」した銀行を4％上回った。とくに中小企業向けで基準緩和が目立った。国別ではイタリアの銀行で緩和が進んだ。
同結果についてECBは、低金利で融資需要が増大する中、量的緩和によって流動性が拡大した銀行の貸し出し競争が激化したことが反映されたと指摘している。
一方、個人向け融資の基準も緩和されたが、住宅ローンについては、やや厳格化した。
