欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/11/2

EU情報

10月のユーロ圏インフレ率0%、マイナスから脱却

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが10月30日発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比0%となり、マイナス圏から脱した。ただ、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%程度を依然として大きく割り込んでおり、ECBが追 […]

EU統計局ユーロスタットが10月30日発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比0%となり、マイナス圏から脱した。ただ、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%程度を依然として大きく割り込んでおり、ECBが追加金融緩和に踏み切るとの観測は弱まっていない。

分野別ではエネルギーがマイナス8.7%となったものの、下げ幅は前月の8.9%から縮小した。工業製品は0.4%、サービスは1.3%と、いずれも0.1ポイント上昇した。価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は前月を0.1ポイント上回る1%だった。

ユーロ圏のインフレ率は5月にプラスに転じたが、原油安の影響で9月はマイナス0.1%となっていた。これを受けてECBのドラギ総裁は10月22日、追加金融緩和を12月の理事会で検討する方針を打ち出した。

10月にマイナスを脱却したものの、なお物価が上がりにくい状況が続いていることから、市場ではECBが国債などを買い取る量的金融緩和の拡充、中銀預金金利のマイナス幅拡大を決めるとの見方が根強い。