独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が、タイに自動車工場を建設することを計画しているもようだ。ブルームバーグが2日、消息筋の情報として伝えたもので、同国政府の自動車メーカー誘致プログラムに応募したという。VWは報道内容へのコメントを控えている。
同プログラムはタイ産業省が打ち出したもので、参加企業には税減免などの優遇措置が適用される。参加条件としては◇工場投資額が65億バーツ(約1億4,600万ユーロ)以上◇2019年までに生産開始◇操業開始から5年目以降の年産台数を10万台以上とする――などが定められている。受け付けは3月末で打ち切られた。
消息筋によると、VWはタイ工場建設について、具体的な諸条件が変わる可能性があるとして、最終決定を下していない。
VWがタイでの生産を検討しているのは、ライバルのトヨタに東南アジア市場で大きく後れを取っているためだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)市場におけるトヨタのシェアが約30%に上るのに対し、VWは1%程度にとどまっている。現地生産もタイとインドネシアの提携先企業が行うノックダウン生産に限られている。