オランダ金融大手のABNアムロは10月27日、年内に新規株式公開(IPO)を実施する予定であることを明らかにした。金融危機で国有化されてから7年を経て、再民営化されることになる。
ABNアムロは2007年、ベルギー・オランダ系の金融大手フォルティスと英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、スペインのサンタンデールに分割買収され、オランダ部門はフォルティスの傘下に入った。しかし、金融危機を受けて、政府が08年に217億ユーロの公的資金を注入し、完全国有化した。その後にフォルティスのオランダ銀行部門と統合し、ABNアムロの名称を引き継いだ新銀行が設立された。
ヘリット・ザルム最高経営責任者(CEO)は声明で、IPOがオランダ議会とオランダ中央銀行、欧州中央銀行(ECB)から承認されたことを明らかにした上で、「不測の事態が生じない限り、10~12月期に実施する」と述べた。
ABNアムロは政府の管理化でコスト削減、海外事業の整理などによる再建を進め、経営が改善。今年上期には11億4,000万ユーロの黒字を計上した。
政府は5月、IPOの第1弾として、年内に株式の20~30%を売却する方針を打ち出していた。