2015/11/16

EU情報

EUレベルで「入植地産」の表示義務化、欧州委決定にイスラエル反発

この記事の要約

欧州委員会は11日、イスラエルが占領するヨルダン川西岸などのユダヤ人入植地で作られた農産物などについて、EU域内で販売する際に「イスラエル産」ではなく、「入植地産」と表示することを加盟国に求める指針を承認した。これまでは […]

欧州委員会は11日、イスラエルが占領するヨルダン川西岸などのユダヤ人入植地で作られた農産物などについて、EU域内で販売する際に「イスラエル産」ではなく、「入植地産」と表示することを加盟国に求める指針を承認した。これまでは一部の加盟国が自主的に入植地産のラベル表示を実施してきたが、今後はEUとして統一する。イスラエルは今回の動きに対して反発を強めている。

イスラエルによる占領が続く東エルサレムとヨルダン川西岸、さらにシリアとの境界に位置するゴラン高原での入植活動は国際法違反とされ、EUはイスラエルの主権を認めていない。これらの地域の産物について、英国、ベルギー、デンマークは自主的に入植地産の表示を実施しているが、2012年に初めてEUレベルで入植地産表示を導入する案が提起され、統一した指針を求める声が高まっていた。

入植地産の表示が義務付けられるのはEU内に輸入される農産品と化粧品。欧州委のドムブロフスキ副委員長(ユーロ・社会的対話担当)は会見で、今回の決定は「EUの産地表示制度に関する技術的な問題であり、政治的な措置ではない」と強調。入植地産品の不買運動を助長するものではないと説明した。

しかし、イスラエル側はEUの決定を非難し、予定されていた会合を中止するなど反発を強めている。ネタニヤフ首相は「EUは世界各地で起きている領土紛争の中からイスラエルだけを取り上げており、偽善的な決定だ」と強く抗議。「差別的な扱い」によって損害を受けるのはイスラエルではなく、入植地で働くパレスチナ人だと指摘し、「EUは自らを恥ずべきだ」と非難した。