欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/19

西欧

仏携帯電話サービス市場の再編加速へ、オレンジとブイグが合併交渉

この記事の要約

仏携帯電話サービス市場で再編の動きが強まっている。2位SFRの仏ケーブルテレビ大手ニュメリカブルによる買収が決まったばかりだが、最大手オレンジ(旧フランステレコム)と3位ブイグ・テレコムの合併が協議されていることが16日 […]

仏携帯電話サービス市場で再編の動きが強まっている。2位SFRの仏ケーブルテレビ大手ニュメリカブルによる買収が決まったばかりだが、最大手オレンジ(旧フランステレコム)と3位ブイグ・テレコムの合併が協議されていることが16日に判明。同日にはニュメリカブルが英ヴァージン・モバイルの仏部門の買収に向けて交渉を行っていることも明らかになった。

仏有力経済紙レゼコーは15日、オレンジがブイグ・テレコムを買収する方向で、親会社のブイグと交渉を行っていると報道。仏経済省は16日、報道内容が事実であることを確認した。

同国の携帯電話サービス市場では、オレンジ、SFR、ブイグ・テレコム、フリー・モバイルの4社が大手で、自前の回線でサービスを提供している。ニュメリカブルが買収に乗り出しているヴァージン・モバイルの仏部門であるヴァージン・モバイル・フランスは、自前の回線や設備を持たない仮想移動体通信事業者(MVNO)。MVNOでは国内最大手だ。ニュメリカブルは16日、同社の親会社に出資する英携帯電話機販売大手カーフォン・ウエアハウスなど大株主に対して、3億2,500万ユーロでの買収を提案し、独占交渉を行っていると発表した。

仏市場ではフリーが2012年に低料金を掲げて参入してから、価格競争が過熱している。この状況が過当競争で、各社が共倒れになりかねないとして問題視する仏政府は、大手は4社ではなく3社体制が望ましいとして、業界に再編を促している。4月にはニュメリカブルがSFRを買収することで合意した。

ブイグは赤字が続くブイグ・テレコムをテコ入れするため、SFR買収に名乗りを上げたが、争奪戦でニュメリカブルに敗れた経緯がある。これを受けてブイグは、ブイグ・テレコム存続を放棄し、オレンジに売却する方針を固めたもようだ。同買収が実現すると、大手は3社体制となる。