米メディア・エンターテイメント大手21世紀フォックス傘下の英衛星放送最大手BスカイBは12日、フォックスがドイツ、イタリアで展開する有料テレビ事業の買収に向けた交渉を行っていることを明らかにした。実現すれば、米ケーブルテレビ(CATV)大手リバティ・グローバルに次ぐ欧州2位の有料テレビ会社が誕生する。
買収交渉を行っているのは、スカイ・ドイチュラントとスカイ・イタリア。メディア王ルパート・マードック氏率いる21世紀フォックスはBスカイBに39%、スカイ・ドイチェランドに55%、スカイ・イタリアに100%を出資しており、系列企業間の合併となる。
BスカイBはスポーツ番組で強みを持つが、独占していた英イングランドのサッカー「プレミアリーグ」の放映に英通信最大手BTが参入するなど、厳しい競争にさらされている。同系列のスカイ・ドイチェランド、スカイ・イタリアの買収には、各社が持つコンテンツを統合して放映できるようにすることで、加入者を増やすという狙いがある。
マードック氏は2010年、同様の動機で21世紀フォックスによるBスカイBの完全子会社化に乗り出したが、失敗した経緯がある。
BスカイBは声明で、買収の協議は始まったばかりで詳細は未定としているが、市場では買収額が100億ユーロ規模に上るとの観測が浮上している。