欧州製薬大手2社が11日、がん免疫治療分野での事業提携を相次いで発表した。スイスのノバルティスは米サーフェス・オンコロジー、仏サノフィは同イネイト・ファーマと協力。同分野の開発力を強化する。
ノバルティスはサーフェス・オンコロジーが取り組むがん免疫療法開発プロジェクト4件に参加。同分野のパイプラインを増強する。同4件は現在、前臨床試験段階にある。今回の提携の取引額は明らかにしていない。
サノフィはイネイトのがん免疫治療法開発に参加。開発の進捗に応じてイネイトにマイルストーンを最大4億ユーロ支払う。
がん免疫療法は患者の免疫システムを利用する新しいタイプの治療法で、がん治療の切り札として脚光を浴びている。米ブリストル・マイヤーズ・スクイブや米メルクはすでに製品を市場投入済み。
スイスのロシュも年内に上市する考えだ。ノバルティスは同開発分野で昨春、米バイオ企業アデュロ・バイオテックと提携した。独メルクは米ファイザーと共同でがん免疫治療薬を17年に市場投入することを目指している。