欧州委員会は20日、ベルギーのワロン地域政府がスイスの大手鉄鋼商社デュフェルコ・グループに属する複数の地元企業に対して実施した総額2億1,100万ユーロの公的支援が違法な国家補助にあたるとの調査結果をまとめ、ベルギー政府に全額回収を命じた。
欧州委によると、ワロン地域政府が2003年に設立した投資機関FSIHはデュフェルコ傘下の製鉄所などに対し、06-11年にかけてくり返し資金援助を行った。支援を受けた企業では一時的に収益が回復したことで、供給過剰に対応した生産調整などの措置を講じるタイミングを逃がし、結果的に存続不可能なレベルまで経営が悪化して大部分がベルギーから撤退している。
欧州委は13年から進めていた調査の結果、公的支援の対象となった企業や施設は存続能力に欠け、FSIH以外から投資を呼び込むことは不可能だったと指摘。このためFSIHによる公的支援は経営難にある企業を救済するための違法な補助金にあたると結論づけた。