フィリップスが照明事業売却断念、米当局の難色で

電機大手の蘭フィリップス(アムステルダム)は22日、中国系企業に照明事業を部分売却することを断念したと発表した。米国の安全保障当局が示していた懸念を取り除くことができなかったためと説明している。

フィリップスは昨年3月、LED照明部品と自動車照明事業の資本80.1%を、中国系投資会社ゴー・スケール・キャピタルを中心とするコンソーシアムに売却することで合意した。同事業は新会社ルミレッズとして同4月にフィリップスから独立。米カルフォルニア州サンノゼに本社を置くため、米国への直接投資(FDI)が国家安全保障に脅威とならないかを調べる対米外国投資委員会(CFIUS)の審査対象となった。

フィリップスはこれを受け10月、話し合いを通してCFIUSの懸念を解消していく方針を明らかにしていた。

今回の売却断念で違約金支払いの義務は発生しない。今後はルミレッズに関心を示す他の投資家に売却する方向で交渉していく意向だ。また、ルミレッズ以外の照明事業をフィリップス本体から分離する計画はこれまで通り推し進めていく。

ルミレッズは世界30カ国以上で事業を展開、従業員数は約8,800人に上る。2015年の売上高は約20億ドルだった。

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