イタリア政府とEUは1月26日、イタリアの銀行の不良債権処理策で合意した。銀行が譲渡する不良債権に政府が保証を供与することで買い手のリスクを軽減し、処理が進むようにする。
イタリアの銀行は不況の影響が尾を引き、総額2,000億ユーロ程度の不良債権を抱えている。政府はこれが貸し渋りを招き、国内経済を圧迫しているとして、早急に処理して銀行のバランスシートから分離したい考えで、当初は「バッドバンク」と呼ばれる不良債権の受け皿を創設し、公的資金で買い取る計画だった。しかし、欧州委がEUの競争法に抵触するとして難色を示したことから、1年以上前から協議を進めていた。
パドアン経済・財務相と欧州委員会のベスタエアー委員(競争政策担当)の協議では、伊政府がバッドバンクを設立する代わりに、公的な保証を行うことで不良債権処理を進めることで合意した。同制度の詳細は不明だが、保証料はEUの競争ルールに沿って、市場と同等の水準とする。