中国の複合企業、復星国際は1月26日、ベルギーに本社を置く独英系金融機関BHFクラインオート・ベンソンの株式28.61%を仏プライベートバンクのオッドに売却すると発表した。復星国際はBHFを株式公開買い付け(TOB)で買収する考えだったが、オッドが対抗して開始したTOBの方が買い取り価格が高いなど勝ち目が薄いことから、オッドのTOBに応じることにした。BHF株の売却により利益を確保する。
復星国際は昨年7月、BHFへのTOB計画を発表した。1株当たりの買収額は5.10ユーロで、主要株主は額が低すぎるとして応じない姿勢を示していた。
オッドは11月、BHFを1株5.75ユーロで買収する計画を発表した。この時点ですでに21.6%保持していたうえ、大株主2社から計28.7%を譲り受けることでも合意しており、復星国際がオッドを上回る買収額を提示しない限りオッドの出資比率が50%を超えるのは確実の情勢だった。
オッドは2014年、証券売買や中堅企業の社債発行・新規株式公開(IPO)支援を手がける独投資銀行クローズ・ブラザーズ・ザイトラーを買収した。BHFの買収によりドイツの中堅企業向け事業をさらに強化する考え。自らが必要としないBHFの事業については仏大手銀行ソシエテ・ジェネラルに売却する。