オーストリアの石油ガス大手OMVが18日発表した2015年の決算は、原油価格の低迷や多額の評価損の計上により11億ユーロの赤字となった。売上高は前年比37%減の225億2,700万ユーロ。同社は今後、一部事業の売却など事業再編を進める方針だ。
経常利益は38%減。原油価格の低迷を受け、30億ユーロの評価損を計上したことが影響した。2014年は2億7,800万ユーロの黒字だった。同社のゼーレ最高経営責任者(CEO)は、キャッシュフローを確保するため2016年の投資を2014年度比で40%縮小する方針を打ち出した。
事業再編については5年前に買収したトルコの石油会社ペトロル・オフィシの売却を検討する。オフィシは国内の1,785カ所で給油所を運営している。
さらに同CEOは、ロシア事業を拡大していく方針も明らかにした。現在ガスプロムとの間で計画している資産交換を進め、ロシア部門を2020年までに中核事業のひとつとする。まずは資産交換によるシベリアのウレンゴイ・ガス田での生産を目指す。