欧州電機大手のフィリップス(オランダ)は4月25日、照明部門を分離する計画について、新規株式公開(IPO)の実施を検討していることを明らかにした。これまではIPOと売却の両にらみだったが、株式市況が好転してきたことから、IPOに傾いたとしている。
フィリップスは競争激化を受けて、テレビ事業から撤退するなど再編を進めている。2014年に発表した計画で、経営資源を収益力が高い医療機器部門に集中するため、照明部門を分離する意向を表明。他社への売却またはIPOの形で実施する方針を打ち出していた。
同社は当初、売却を優先する姿勢を示しており、売却額は50億ユーロ程度に達すると目されていた。しかし、フランス・ファン・ホーテン社長は同日、株式市場の混乱が収まり、市況が好転していることに言及し、「IPOの方があり得る」と発言。近く最終判断する方針を示した。
一方、フィリップスが同日発表した2016年1~3月期(第1四半期)決算の純利益は3,700万ユーロとなり、前年同期から63%減少した。売上高は3%増の55億ユーロに伸びたが、照明部門分離に関連する税負担が5,200万ユーロに上り、利益を圧迫した。