米メディベーション、仏サノフィの買収提案を拒否

米製薬会社メディベーションは4月29日、仏サノフィの買収提案を拒否すると発表した。これに対してサノフィは、敵対的買収に乗り出すことも辞さない構えを示しており、激しい攻防戦が繰り広げられそうだ。

メディベーションはがん治療薬に特化した企業。前立腺がん治療薬「エクスタンディ」が主力製品となっている。

サノフィは28日、メディベーションに買収を提案したことを明らかにしていた。1株当たりの買い取り価格は52.5ドル。買収観測が浮上する前の2カ月間の加重平均株価に50%を上乗せした水準となる。全株式を取得した場合の買収額は93億ドルに達する。

サノフィは3月に買収を打診したが、メディベーション側が回答を保留し、協議に応じる姿勢を示さなかったため、買収提案の事実を公表し、同社経営陣に圧力をかけた。

これに対してメディベーションは、買収額が同社の価値を著しく過小評価しているとして、取締役会が全会一致で提案拒否を決めたとする声明を発表した。しかし、サノフィは29日に発表した声明で、買収を断念しない意向を表明。メディベーション株主に買収受け入れを働きかけていく方針を示し、敵対的な株式公開買い付け(TOB)に打って出る用意があることを示唆した。

上部へスクロール