トルコと新分野の加盟交渉開始、モンテネグロとの交渉も進展

EUとトルコは6月30日、ブリュッセルでEU加盟協議を行い、新たに財務・予算規定(第33章)に関する交渉を開始した。昨年12月には経済通貨政策の分野で協議入りしており、双方は難民対策での連携強化を背景に、この半年で新たに主要2分野の交渉を開始したことになる。

トルコのEU加盟交渉は2005年10月にスタートしたが、EU側はトルコ国内の少数民族クルド人に対する人権抑圧などを問題視し、交渉は長く足踏み状態が続いていた。しかし、今年3月の首脳会議でEUは新たにギリシャに密航した不法移民らをトルコに強制送還する見返りとして、トルコのEU加盟交渉を加速させることを約束。6月末までに財政・予算規定に関連した協議を開始することで合意していた。これで35の交渉分野のうち、交渉入りしたのは16分野となった(交渉完了はこのうち1分野のみ)。

EU議長国オランダのクーンデルス外相は協議終了後の会見で、「EUとトルコは引き続き関係強化を図り、難民対策を含む重要課題に共同で取り組む方針を確認した」と強調。そのうえで、トルコは加盟交渉を通じ、とりわけ法の支配と基本的人権の領域で改革を進める必要があると指摘した。

一方、EUは同日、モンテネグロともEU加盟協議を行い、食品安全・動物福祉・植物衛生(第12章)と漁業政策(第13章)の2分野で新たに交渉を開始した。モンテネグロは両分野でEUが求めるすべての基準を満たすため早急に国内法を整備し、技術面や経済面でEUからの支援を受けつつ検査や監視体制を整備することになる。

モンテネグロは2010年に加盟候補国として認定され、12年6月に加盟交渉を開始。35の交渉分野のうち、これで交渉入りは24分野となった(このうち2分野は交渉完了)。

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