欧州委、中・ロの冷延鋼板に反ダンピング措置

欧州委員会は4日、中国とロシア製の冷延鋼板に正式な反ダンピング(不当廉売)措置を発動すると発表した。中国製に19.7~22.1%、ロシア製に18.7~36.1%の反ダンピング関税を課す。

冷延鋼板は自動車、白物家電などに使われる。欧州委は昨年5月、欧州鉄鋼協会(EUROFER)の要請に応じて、中国とロシアの製品に対する反ダンピング調査を開始。今年2月から暫定的な反ダンピング措置を発動していた。

欧州委は調査の結果、両国製の冷延鋼板がEUにダンピング輸出され、域内の鉄鋼メーカーに打撃を与えていると認定し、期間5年の正式な反ダンピング措置に切り替えることを決めた。

暫定措置の反ダンピング関税は中国製が13.8%~16%、ロシア製が19.8%~26.2%だったが、それぞれ引き上げた。また、同関税を暫定措置発動の2カ月前から域内の税関で登録されていた輸入品にも適用することを決めた。EUによる遡及適用は初めて。将来に同様のケースで、輸入業者が反ダンピング措置発動に備えて駆け込みで調達し、高い関税を逃れようとするのを牽制する意味があるもようだ。

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