欧州委員会は26日、中国が幅広い工業製品の原材料として利用される12種類の金属、鉱物の輸出を不当に制限しているとして提訴している問題で、世界貿易機関(WTO)に紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請したことを明らかにした。これによって同問題は本格的な通商紛争に発展したことになる。
問題となっている原材料はグラファイト(黒鉛)、コバルト、銅、鉛、クロム、マグネシア、タルカム(滑石)、タンタル、スズ、アンチモン、インジウム、フェロニッケル。欧州委は7月、中国の輸出制限によってEU域内の企業が悪影響を受けているとして、WTOに提訴していた。
EUと中国はWTOの紛争処理手続きの第一段階とて、9月8~9日に当事者間協議を行ったが、解決に至らなかったため、EUはパネル設置を要請した。
対象となる原材料はEUが提訴した際に11種類だったが、フェロニッケルが加わって12種類に増えた。