アイスランドがEU加盟交渉再開か、新政権発足で

アイスランドで11日、中道右派の独立党を中心とする連立政権が発足した。新政権はEU加盟の是非を問う国民投票の実施を模索しており、2015年に打ち切られた加盟交渉が再開される可能性が出てきた。

アイスランドは経済の柱である漁業の統制権を失うため、あえてEU加盟を避けてきた。しかし、08年の金融危機で国内経済が大混乱したことから、EUおよびユーロ圏に加わり、国際支援を受けながら経済再建を進めるのが得策と判断。09年に加盟を申請し、10年に加盟交渉を開始した。交渉は35分野のうち11分野で完了し、順調に進んでいた。

しかし、金融危機の沈静化に伴い、EU加盟の必要性が薄れたため、政府は加盟交渉を14年に打ち切り、15年に加盟申請を撤回した経緯がある。

同国では昨年10月、「パナマ文書」で資産隠し疑惑が浮上したグンロイグソン首相の辞任を受けて総選挙が行われた。しかし、当時の連立与党、野党連合とも過半数を確保できず、第1党を維持した独立党の主導で連立協議が行われた。同協議は難航し、政治の空白が続いたが、10日に独立党、改革党、明るい未来の3党が連立で合意。11日に新政権が発足した。

ベネディクトソン新首相(独立党党首)は、新政権がEU加盟に関する国民投票を実施するかどうかを議会の採決で決める方針を示している。

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