欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/16

EU産業・貿易

フィリピンとパプアに警告、違法漁業問題で

この記事の要約

欧州委員会は10日、フィリピンとパプアニューギニアに対して、違法漁業が横行しているとして、警告書を送付したと発表した。警告書は“イエローカード”に相当するもので、両国は違法漁業対策の強化を求められる。6カ月以内に改善がみ […]

欧州委員会は10日、フィリピンとパプアニューギニアに対して、違法漁業が横行しているとして、警告書を送付したと発表した。警告書は“イエローカード”に相当するもので、両国は違法漁業対策の強化を求められる。6カ月以内に改善がみられない場合は、両国産の水産製品の輸入をEUが禁止する制裁措置を発動することになる。

EUでは2010年に施行された違法・無届け・未規制(IUU)漁業を取り締まるIUU漁業規則に基づき、乱獲禁止など国際ルールに反した違法漁業を行っている域外の第3国の水産物が域内で流通することを禁止する方針を打ち出している。欧州委は2012年にカンボジア、ギアナ、ベリーズ、フィジー、パナマ、スリランカ、トーゴ、バヌアツの8カ国、13年に韓国、ガーナ、キュラソー(オランダ自治領)に警告を行い、うちカンボジア、ギアナ、ベリーズへの制裁措置発動を今年3月に決めた。

フィリピンは世界12位の漁業国で、EUが2013年に輸入した同国産の水産製品は1億6,500万ユーロ相当に上る。パプアニューギニアからの同年の輸入額は1億800万ユーロ。