クラリアントが米ハンツマンと合併、特殊化学2位に浮上

スイス特殊化学大手のクラリアントは22日、米同業ハンツマンと合併することで合意したと発表した。化学業界では近年、収益力の低迷を背景に合併・買収(M&A)の動きが活発化しており、両社もこれに追随した格好だ。クラリアントのハリホルフ・コットマン社長は「今後5~10年間、売上高で少なくとも130億~140億ドルを実現する企業が業界再編のトレンドを主導していく」との見方を示した。

両社は株式交換方式で合併し、新会社ハンツマンクラリアントを設立する。新会社の出資比率はクラリアントの株主が52%、ハンツマンが同48%。両社株主と独禁当局の審査を経て合併手続きが年末に完了すると見込んでいる。

クラリアントの売上高(2016年)は59億ドル、ハンツマンは同94億ドル。ハンツマンは売上高21億ドルの顔料・添加剤事業を今夏に新規株式公開(IPO)で分離するため、ハンツマンクラリアントの売上高は132億ドルとなる。これは業界最大手の独エボニック(152億ドル)に次ぐ規模で、独コベストロと並ぶ2位に付けることになる。営業利益(EBITDA、調整済み)は23億ドルで、売上高営業利益率は17%に上る。

合併コストは5億ドル。シナジー効果は合併後2年で年4億ドルに達すると見込んでいる。

新会社の取締役会会長にはクラリアントのコットマン社長、同最高経営責任者(CEO)にはハンツマンのピーター・ハンツマン社長がそれぞれ就任。取締役会には合併2社が同数の役員を送り込む。

登記上の本社はバーゼル近郊のプラッテルン、業務上の本社は米テキサス州ザ・ウッドランズに置く。株式はスイス証券取引所とニューヨーク証券取引所の2カ所に上場する。

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