米PPG、アクゾ・ノーベル買収を断念

米ガラス・塗料大手のPPGインダストリーズは1日、塗料世界最大手アクゾ・ノーベル(オランダ)の買収を断念すると発表した。アクゾ経営陣が拒否の姿勢を堅持しているためで、敵対的買収に打って出る手もあったが、最終的に買収提案を撤回した。

アクゾは3月、PPGから総額220億ユーロでの買収を提案されたが、価格を不満として拒否を表明。PPGは2度にわたって買収提案を見直し、4月下旬の3回目の提案で買収額269億ユーロまで引き上げたが、アクゾ側は応じなかった。

PPGはオランダの法令に基づき、1日までにアクゾ株主に正式な買収案を提示するかどうかを決める必要があった。アクゾ経営陣の合意を取り付けず、敵対的な株式公開買い付け(TOB)に踏み切る選択肢もあったが、オランダの政界でアクゾの身売りに反対する動きが根強いことも考慮し、買収案を撤回した。今後6カ月間は新たな買収提案を行うことが禁じられる。

同買収をめぐっては、米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントなどアクゾの一部の株主がPPGの提案を評価し、拒否を続けるブルグマンズ会長の解任に向けた臨時株主総会の開催を求めたが、オランダの裁判所は5月29日、申し立てを却下していた。

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