欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/23

EUその他

EU、5G技術で韓国と連携

この記事の要約

EUは16日、第5世代(5G)移動通信技術で韓国と連携すると発表した。規格の策定や利用周波数帯の調整などを協力して進め、2016~17年には共同の研究プロジェクトを立ち上げる考えだ。 5Gの通信速度は現在使用されている第 […]

EUは16日、第5世代(5G)移動通信技術で韓国と連携すると発表した。規格の策定や利用周波数帯の調整などを協力して進め、2016~17年には共同の研究プロジェクトを立ち上げる考えだ。

5Gの通信速度は現在使用されている第4世代(4G)の約1,000倍で、4Gでは6分かかっていた動画のダウンロード時間が6秒に短縮される。韓国は早ければ2017年に5Gネットワークの試験運用を始め、20年の商用化を目指している。

欧州は90年代、無線通信方式のひとつであるGSMの技術で世界をリードしていたが、4G通信網の導入では米国やアジアに後れをとっている。EUが今回韓国との連携に乗り出した背景には、高速移動通信網の整備で先行する韓国のノウハウを活用して、通信分野で巻き返しを図りたいとの思惑があると見られる。

欧州委員会は13年12月、「5Gに関する官民パートナーシップ(5GPPP)」を立ち上げた。EUは20年までに研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」を通じて5GPPPに7億ユーロを投じる計画だ。産業界も、最大で30億ユーロ以上の資金を5Gに投じる構えだ。欧州委のクルース委員(デジタルアジェンダ担当)は、「5Gはデジタル経済とデジタル社会にとって不可欠なものになるだろう」と指摘。今回の合意は、EUと韓国がグローバルなデジタルリーダーであることに対する責任を示すものだと述べた。