化学大手の独BASFは6月27日、ロシアの非鉄金属大手ノリリスク・ニッケルとリチウムイオン電池の原料供給に関する独占交渉を開始すると発表した。欧州に設置する電気自動車向けリチウムイオン電池の正極材工場にノリリスクが原料を供給する方向で協議を進める。
BASFは最大4億ユーロを投じて正極材工場を建設することから、原料となるニッケルとコバルトをノリリスクから調達する。ノリリスクはロシアの鉱山でニッケルとコバルトを採掘。フィンランド南西部のハルヤヴァルタ精錬所で加工し、BASFに供給する。
BASFは戸田工業と設立した合弁会社「BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社」や米オハイオ州エリリアの工場を通じて、すでにアジアと米国市場で正極材の供給体制を構築済み。欧州に新工場を開設することでグローバルな供給能力を高める考えだ。