英RBS銀の支店売却代替策、欧州委が原則承認

欧州委員会は26日、英大手銀行ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が公的支援の条件として実施する予定だった支店売却計画の代替策について、英政府と原則合意したと発表した。

RBSは金融危機に際して英政府から総額450億ポンドの支援を受け、国有化された。支店の売却は、EUが支援を認めた際に求めた条件のひとつ。救済されたRBSが他の銀行との競争で有利とならないようにするためで、同行は国内支店の1割超に相当する約300支店を分社化して設立した新部門「ウィリアムズ・アンド・グリン」をスペイン最大手銀行バンコ・サンタンデールに売却することで2010年に合意した。しかし、RBSの口座をサンタンデールに移す作業が両行の情報技術(IT)システムの違いによって難航したことなどから、12年に計画を断念。今年2月に代替策をまとめ、欧州委に承認を求めていた。

原則承認された代替案は◇RBSは競争力が弱い中小銀行の事業拡大を支援するための基金を創設する◇RBSの顧客である中小企業が取引銀行を中小銀行に切り替える際、銀行側に生じるコストをRBSが負担する――といった内容。RBSの負担額は総額8億3,500万ポンド(約1,210億円)に上る。欧州委は近く正式承認する見込みだ。

RBSの株式71%を保有する英政府は、同行が欧州委から求められた条件をすべて満たさない限り、再民営化を認めない方針を打ち出している。支店売却に代わる競争上の是正策が承認されることで、民営化に着手することができる。

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