英が21年末にLIBOR廃止、新基準金利導入へ

英金融行為規制機構(FCA)のベイリー長官は27日、金融取引の基準金利として広く利用されているロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を2021年末に廃止する方針を明らかにした。LIBORをめぐっては、12年に欧米の大手金融機関が金利を不正操作していたことが発覚したのを機に、より信頼性の高い金利指標に移行するための見直しが進められている。

LIBORは実際の取引ではなく、金融機関が自己申告した金利に基づいて算出されるため、多くの大手金融機関が不正操作に関与して巨額の罰金を科され、15人のトレーダーが有罪判決を受けた。LIBORは現在、住宅ローンや融資を中心に約350兆ドルの金融取引の基準金利として利用されているが、取引量が縮小して指標としての信頼性が低下している。不正発覚までは英国銀行協会(BBA)がLIBORを算出・運営していたが、2014年2月から米取引所大手インターコンチネンタル取引所(ICE)が引き継いでいる。

ベイリー氏はロンドンで開催されたイベントで、「今後もRIBORを基準とする金融取引が活発化する兆しはなく、市場参加者がこうした指標に依存することは望ましくない」と指摘。「代替指標への移行準備を本格的に始めるべきだ」と強調し、期限を設定することで、市場参加者は移行に向けたスケジュールを立てやすくなり、多くの取引相手やLIBOR利用者への対応が容易になると述べた。

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