電機大手の独シーメンスは16日、火力発電(PG)と駆動装置(PD)の2部門で人員削減を実施すると発表した。市場が低迷し回復の見通しも立たないためで、世界全体で約6,900人を整理。うち半分をドイツで実施する。
火力発電の需要は再生可能エネルギーの利用拡大に反比例して減少。発電用大型ガスタービン(出力100メガワット超)の世界需要は長期的に年110基程度の低水準が続く見通しだ。世界の業界が抱える生産能力が約400基に上ることから、生産能力の大幅な削減は避けられない状況となっている。
シーメンスはこれを踏まえ、PG部門で従業員約6,100人を削減する。ドイツ本国ではゲルリッツ(従業員数約720人)とライプチヒ(同200人)拠点を閉鎖するほか、オッフェンバッハとエアランゲンで展開するソリューション事業を統合。エアフルトの拠点については売却を含むオプションを検討する。ミュールハイム・アン・デア・ルールとベルリンでも従業員を整理することから、同国のPG部門の人員削減規模は約2,600人に上る。ドイツ以外の欧州では1,100人強、欧州域外では2,500人を予定している。
同部門では2015年から4,500人規模の人員削減を実施している。今回打ち出した措置により削減規模を拡大することになる。
鉱山や鉄工所、船舶向けにモーターや発電機を供給するPD部門ではドイツで760人を整理する。ベルリンの発電機生産事業をPG部門のミュールハイム、エアフルト工場に移管。ベルリン拠点の活動を研究開発、エンジニアリング、サービス、販売に絞り込む。