仏自動車大手のPSAグループは11月27日、ロシアのカルーガ工場で小型商用車の生産を開始すると発表した。ロシアの景気回復に伴う需要拡大に対応するためで、2018年1~3月期から2モデルを生産する。
同工場では現在、乗用車を生産している。新たに生産を開始する商用車は、プジョー「エキスパート」とシトロエン「ジャンピー」。将来的にはシトロエン「スペースツアラー」、プジョー「トラベラー」などの生産も視野に入れる。
ロシア事業を統括するPSAユーラシアによると、今年上半期の同社のロシア販売台数は20%増。小型商用車に限ると40%増と大きく伸びた。販売台数に占める小型商用車のシェアは7%と欧州の11%より小さく、さらなる成長の余地があるとみている。モデルの幅を広げることで需要を取り込んでいきたい意向だ。
PSAはロシア・CIS諸国地域の販売台数を2021年までに15年実績の4倍に拡大するという目標を掲げている。また、同地域で販売する製品の6割を現地生産する計画だ。カルーガ工場では「エキスパート」と「ジャンピー」の生産で部品の50%を現地調達する。