欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/4/7

ロシア・CIS・その他

ロシア、ウクライナ向けガス価格を大幅引き上げ

この記事の要約

ロシア国営ガス会社のガスプロムは1日、ウクライナに供給する天然ガスの価格格を同日から1,000立方メートル当たり385.5米ドルに引き上げると発表した。これは親ロシア派のヤヌコビッチ大統領(当時)と12月に合意した価格を […]

ロシア国営ガス会社のガスプロムは1日、ウクライナに供給する天然ガスの価格格を同日から1,000立方メートル当たり385.5米ドルに引き上げると発表した。これは親ロシア派のヤヌコビッチ大統領(当時)と12月に合意した価格を43.5%上回る水準。クリミア併合をめぐって対立するウクライナ暫定政府への圧力を一段と強める狙いがあるとみられる。

ガスプロムのミレル社長は値上げについて、ウクライナの未払い債務が1日時点で17億ドルに上っているためと説明した。

天然ガス料金は四半期ごとに見直すことになっている。新価格は対EU供給価格の平均(370ドル)をも上回る。ウクライナ暫定政府のヤツェニュク首相は、同国が石油・ガス需要の半分以上をロシアに頼っている事実を踏まえ、EUからの支援が必要との立場を改めて示した。

暫定政権は国際通貨基金(IMF)の指示に従い、来月から一般世帯へのガス料金を50%、7月から事業者向け料金を40%引き上げる。さらに、2018年まで段階的に値上げする予定だ。

これまでウクライナでは、政府がガス料金を補助し、仕入れ値を下回る価格で消費者に供給していた。