ブルガリア、ユーロ導入の条件を満たさず=欧州委とECB

欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)は23日、ユーロ導入を目指すEU加盟国のうち、現時点で導入の条件をすべて満たしている国はないとの見解を示した。対象国ではブルガリアが導入に最も積極的で、前段階となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)への参加を年内に申請する方針を打ち出しているが、冷や水を浴びせられた格好となる。

ユーロ導入には、ERM2に最低2年間加わり、自国通貨の対ユーロ標準値の変動率を上下15%以内に抑えることや、財政の健全化、消費者物価、長期金利の安定の計4項目で基準を満たす必要がある。ユーロ参加に必要な法整備も求められる。欧州委とECBは2年ごとに公表する対象国のユーロ導入に向けた準備の進展状況を検証する報告書で、ブルガリアは同4項目のうちERM2参加を除いて条件を満たしたと認定した。しかし、中央銀行の独立性確保など、法整備が完了していないとして、対応を促した。

EUでは英国、デンマーク、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、クロアチアがユーロを導入していない。今回の報告書はEU離脱が決まっている英国、ユーロ導入を目指さないデンマークを除く7カ国が対象となった。