製薬・化学大手の独バイエルは7日、米農業化学大手モンサントを買収する手続きが7日に完了したと発表した。約2カ月後にはモンサントの統合を完了し、世界最大の農業化学メーカーとなる予定だ。モンサントは消滅することになる。
バイエルは5月29日、モンサント買収計画が米司法省から条件付きで承認されたと発表した。この時点でメキシコとカナダを除くすべての国が承認。同社は両国の承認も近日中に獲得できる見通しを明らかにしていた。
同社は2016年9月、モンサントを最大660億ドルで買収することで合意した。両社はグローバルに事業を展開していることから、買収実現には多くの国・地域の承認を得る必要があった。
最大の難関と目されていたのは欧州連合(EU)の欧州委員会と米司法省の審査。欧州委は3月に条件付で承認したことから、その後は米司法省の決定に注目が集まっていた。同省は5月末、バイエルが時価およそ90億ドル相当の事業を独化学大手BASFに売却することを条件にモンサント買収を認めた。バイエルは農薬・種子事業の一部とデジタル農業事業をBASFに譲渡することになる。同社はBASFへの事業譲渡手続きの完了後にモンサントを統合する。