欧州委員会は6月26日、独化学大手BASFがベルギー同業のソルベイからポリアミド事業を買収する計画について、本格的な調査を開始したと発表した。初期調査で競争上の問題が浮上したことから、改めて詳細な調査を実施し、認可の可否を判断する。
ポリアミドは一般樹脂よりも耐熱性や強度が高い高機能樹脂(エンジニアリングプラスチック)の一種。自動車部品などに利用される。BASFは昨年9月、ソルベイの同事業を16億ユーロで買収すると発表していた。
欧州委は同買収によって、アジポニトリル(ADN)などポリアミドの主要原材料調達で顧客企業の選択肢が減り、価格上昇を招く恐れがあるとして、初期調査での承認を見送り、本格的な調査の開始を決めた。10月31日までに承認するかどうかを最終判断する予定だ。