島津製作所は6月26日、ターボ分子ポンプのサービスを手がける独インフラセルフ・ヴァクームサービス(IVG)を買収すると発表した。欧州の販売・サービス体制強化が狙い。買収価格と増資を合わせてIVGに約460万ユーロを投資する。
IVGはミュンヘンに拠点を置く従業員25人の企業で、欧州の大手半導体メーカーや装置メーカーが使用する真空機器のサービスを手がけている。高い技術を持つうえ、顧客との関係も良好なことから、島津は以前からターボ分子ポンプのサービスを同社に委託してきた。
超高真空環境を作り出すターボ分子ポンプは半導体製造装置への組み込み用途を中心に需要が急増しており、島津のターボ分子ポンプ事業の2017年度売上高は前年度比で約34%拡大した。欧州の半導体市場は人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)関連技術の発展を背景にさらなる成長が見込まれることから、IVGを買収する。これまで主に北米子会社が担ってきた欧州でのターボ分子ポンプ販売事業をIVGに移管。同地のターボ分子ポンプ販売・顧客サポート体制を強化する。
島津はIVGの売上高を17年度の490万ユーロから22年度には2,100万ユーロに引き上げる計画だ。