欧州委員会は19日、米アマゾン・ドット・コムに対し、EU競争法上の予備的な調査を開始したことを明らかにした。アマゾンのサイト上で商品を販売する小規模な小売り業者の顧客データなどの取り扱いをめぐり、電子商取引市場における公正な競争を妨げる要因になっていないか検証すると説明している。
欧州委が問題視しているのは、アマゾンが運営するマーケットプレイス(仮想商店街)の出店業者から収集される取引データの扱い。アマゾンが出店業者の顧客情報やその他のデータを乱用し、消費者のニーズを把握したり、自社製品の販売促進を図るなどして競争を阻害している可能性があるとみている。
欧州委のベステアー委員(競争政策担当)は記者会見で「調査はまだ初期段階だが、データの取り扱いがここでの問題だ」と強調。そのうえで、アマゾンの商慣行について実態を把握するため、マーケットプレイスに出店している小売業者にアンケート調査を実施するなど情報収集を進めていると説明した。