欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/7/21

総合 – 欧州経済ニュース

ユーロ圏の14年予想成長率、1%に下方修正=IMF

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は14日発表したユーロ圏経済に関する年次報告書で、圏内の2014年の予想成長率を1%とし、従来の1.1%から下方修正した。15年の予想成長率は1.5%に据え置いた。 ユーロ圏は13年4~6月期に景気 […]

国際通貨基金(IMF)は14日発表したユーロ圏経済に関する年次報告書で、圏内の2014年の予想成長率を1%とし、従来の1.1%から下方修正した。15年の予想成長率は1.5%に据え置いた。

ユーロ圏は13年4~6月期に景気後退を脱し、7四半期ぶりにプラス成長となった。しかし、景気回復のペースは緩やかで、今年1~3月期の域内総生産(GDP)は前期比0.2%増と小幅の伸びにとどまった。失業率の高止まり、デフレ懸念という問題も抱えている。

IMFは報告書で、ユーロ圏の景気回復は「堅調でなく、十分に力強くもない」と指摘。ユーロ圏内または圏外で何らかの下振れ要因が生じた場合には回復がとん挫し、デフレに陥る恐れがあると警告した。

欧州中央銀行(ECB)は6月、デフレ回避と景気底上げのため、ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を0.1ポイント引き下げ、過去最低の0.15%としたほか、民間金融機関が手元資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)をゼロからマイナス0.1%引き下げた。金融機関への長期資金の追加供給も決めた。しかし、IMFは同措置の効果が見られない場合は、量的緩和が必要と指摘。また、需要の喚起や、若者の雇用促進など構造改革の強化も提言した。